第28章 練習試合
その後試合が始まり、テツ君と火神君の連携で涼太や笠松先輩たちは苦戦を強いられる中両チーム共一歩も譲らず試合終了のブザーが鳴った時には両チーム引き分けとなった。
「何やってんだ!!お前ら試合中寝てんのか!何点取られてんだ!」
試合には負けなかったものの監督は無名の新設校に負かされそうになった反面怒りが頂点で海常では反省点として明日から練習量が大幅に増えることになった。
「なぁ……あんた…」
「…?」
試合が終わり後片付けをしていると火神君に話しかけられる。
何か言いたげな顔をしていて頭をぽりぽり掻いていた。
「その…さっきは…悪かった…。つい…でも、本当に俺のこと覚えてねえの?」
「…火神君みたいに背の高い選手なら印象に残るはずなんだだけど…やっぱり…今日初めて会ったんじゃないかな……」
「は…ちげえよ…じゃなくて…違うっていうか…ほら…アメリカのストバスで…小3の時…」
「え…アメリカ……小3…?」
「ほら…夏の時に…」
火神君は私が身長の話をするとタメ口になろうとするのを必死に言い変えてなるべく丁寧な話し方をしているように見えていた。
よほど、テツ君や先輩たちに怒られたのだろうか…
私は、火神君からアメリカの小3のことを聞くとふと昔の記憶を思い出した。