第28章 練習試合
ーー笠松視点ーー
聖知が戻ってくると誠凛高校のメンバーが体育館へとやってきた。
黒子って……どれだ……?
キセキの世代というからには少なからず黄瀬のようにオーラを放っているかと思ったが要注意は火神という選手くらいという認識だった。
そのまま更衣室に案内しに行くと、少しすると一緒に行った黄瀬と聖知が戻ってくる。
「なんすか…あの態度は……」
「いや…多分……悪気は……ないんだと思うよ…?」
黄瀬が妙にイラついているのに気がつき聞くと火神という選手のことだった。
よくわからないでいると、体育館の入り口がやけに騒がしくなり先ほどの火神という選手が一目散にこっちへ向かってくる。
「思い出したぜ!…おい、お前…聖知だろ!
俺だって…火神大我!…覚えてねえか?」
「え…えっと……誰かと…勘違いしてないかな…火神君…?とは今日初めて会った気がするんだけど…」
あ゛ッ…!?
…この1年ッ…初対面でなんだその態度はッ…
俺の中で聖知を「初対面+呼び捨て+お前呼び+指差し」されていることが脳内で生成されイラついた表情を浮かべると聖知の両肩を掴んだ瞬間我慢できず2人に近づいた。
「おい、本人が知らねえって言ってんだろ。……気安く触るな。」
聖知は明らかに身長差が大きすぎて後退りしていて俺はすかさず火神の手を聖知から無理矢理離させると俺を睨みつけてきたと思ったらその場で横転していた。
……なんだ……転けたのか…?
「聖知さん、火神君が大変失礼しました…火神君には後でよくキツく言っておきます。」
水色の髪をした少年が横転した火神を引っ張って行きベンチへと連れ帰って行っていた。
は……?
なんだ…あいつ…
今……どっから……!?
俺は何が何だかわからないまま監督の掛け声で試合が始まるためベンチに集められた。
ーー笠松視点終了ーー