第28章 練習試合
ーー海常高校 体育館ーー
「なんすか…あの態度は……」
「いや…多分……悪気は……ないんだと思うよ…?」
「…なんだよ…何かあったのか…?」
「火神って奴っすよ…あいつ…」
涼太はかなり苛立っていて体育館へ戻るとイラついた雰囲気に笠松先輩もいつもと違う涼太の雰囲気に感付いていた。
火神君…あんなに身長が高いなら印象に残ってるはずだけど…
全く思い出せず、きっと誰かと勘違いしているだけだと思っていた。
「ちょっと!火神君!やめなさいってッ…」
「おい、火神ッ…!」
「…???」
体育館の扉前で話し声が聞こえてざわついた様子が見られて体育館の扉が開くと火神君が私と視線が合うと他のメンバーが止めるのを無視して一目散に駆け寄ってきた。
「思い出したぜ!…おい、お前…聖知だろ!
俺だって…火神大我!…覚えてねえか?」
火神君は止める先輩の制止も聞かずに私のことを呼び捨てで指を差した。
しばし、沈黙が流れて私は苦笑いを浮かべて沈黙を破るように言った。
「え…えっと…誰かと…勘違いしてないかな…火神君…?とは今日初めて会った気がするんだけど…」
「勘違いじゃねーよ!」
「Σッえ…ちょッ…」
「ほら…たしか…夏の時…俺が…」
「おい、本人が知らねえって言ってんだろ。……気安く触るな。」
火神君はいきなり両肩を掴んで凄んで説明しようとすると私の身長は160cm、相手は190cmの身長差にびびってしまう。その様子を見て笠松先輩は火神君の手を掴み無理矢理手を離させた。
「はぁ…?…関係ねえ奴…ッ…!!」
「え……」
「聖知さん、火神君が大変失礼しました…火神君には後でよくキツく言っておきます。」
火神君は笠松先輩に睨んで凄もうとするとテツ君が火神君の両足首を掴み転けさせて誠凛側のベンチに引きずりながら連れて行った。