第5章 図書館
「あの…助けて頂いてありがとうございます。」
「…大丈夫か? あいつと知り合いなのか?」
「…知り合い…ってほどでは…」
花宮真が去ると私は花宮が投げつけた本を握り笠松さんにお礼を言った。
笠松さんが居なかったらどうなっていたかわからない…
本当に良かった…
「でも…どうして笠松さんが…?」
「ぁ…部活がや「聖知ちゃん…大丈夫だったかい?」
「ぁ…え…えっと…森山さん…?」
「名前をもう覚えてくれたのか…やはり…運命だな…良かったらこの後お茶でも…「話の腰を折んじゃねえよ!」
笠松さんと話をしていると前に海常に行ったとき同じチームメイトの人がいた。
たしか…名前は森山さん…
両手を優しく握りお茶に誘われると後ろから笠松さんにど突かれていた。
「仲いいんですね。」
2人のやり取りを見ていると自然におかしくなりクスクス笑い出してしまう。
ーーー図書館のフリースペースーーー
「勉強ですか…休みなのに大変ですね…」
「聖知ちゃんは本を探しに?」
「はい。ここの図書館広いので。息抜きもかねて…」
「息抜き…受験生だもんね…高校とかどこ受けるか決めたの?」
「…内緒です。」
フリースペースで笠松さんと森山さんと一緒に座り話をした。
でも…笠松さんは何やら不機嫌そうに顔に皺を寄せて黙り込んでいる。
「笠松さん…?」
「…なんだ?」
「何かありました?さっきから…何も喋ってないので…」
「…………ッ…」
「大丈夫。大丈夫。笠松は女子が苦手だから。」
「森山‼︎」
「そう…なんですか…?」
私がそう聞くと笠松さんはそっぽを向いて少し照れくさそうにしていた。