第26章 失恋
「ッ…あんな奴に…!
ッ…………そうか……
……黒子っちが言ってたことって……」
俺は去って行く花宮を睨みつけて絶対に聖知っちには手出しさせないと誓うとふと黒子っちの言葉を思い出した…
俺……わかった気がする……
聖知っちの手前では…振り切ったように見せてはいても心のどこかで俺に向いて欲しい気持ちが微かに残っていた…
結局俺は…振られても…自分の方に向いて欲しいことしか考えてなかった……
幼馴染としてよろしくと言いながら…
自分に嘘ついて避けて…割り切れていない…
俺は…聖知っちには笑っていてほしい…
俺が…心から笑わすことができないことしても…
花宮なんかに…傷つけられていいわけがないッ…!
俺は屋上での聖知っちに最後に聞いた「笠松先輩の好きなところ」について話す聖知っちのすごく幸せそうな表情を思い出し振り切ったような笑みを浮かべる。
確かに…こんなウジウジするのは俺らしくないっすね……
そうときたら…明日…まず挨拶しないといけないっすね…
俺はさっきまでウジウジしてた気持ちが消えたかのように家路へと向かって帰っていった。