第25章 調査と報告
「俺……最近…
笠松先輩には敵わないって思ったっすよ…
俺が3年間気づかなかった事を…
先輩はすぐに気づいてたし…」
「それは…私が…隠してたから…」
「隠してたけど…笠松先輩はすぐ気づいたっすよ…やっぱり俺より聖知っちのことよく見てたんじゃないかって思ったすよ
………聖知っち……もし…俺が…帝光中で…腐らず真面目にバスケしてたら俺のこと好きになってたっすか?」
「…………好きになってないと思う…」
「う……はっきり言うっすね……」
「そりゃ…真面目な人は好きだけど……笠松先輩を好きになったのは…それだけで好きになったわけじゃないから……」
以前の涼太だったら…正直諦めないとか言うと思ってたけど……
やっぱり笠松先輩の良い影響受けて前よりも冷静に話を聞いてくれていて親しみやすくなった気がした。
「聖知っち…最後に聞いて言いっすか…?」
「何…?」
「笠松先輩のどんなところが好きっすか?」
「え……それ…い…言わないと…いけない…?」
「俺をフるんだから…納得しないと諦めきれないっす…」
「ッ…///優しいところとか…包容力があって…間違ってるところはちゃんと怒ってくれるとこ…元気づけてくれたり、励ましてくれたり…人のこと言えないけど照れ屋なとことか…でも一番は…一緒にいてドキドキして…あ…甘えられるとこ…かな…こんな気持ちになったのは初めてだから…時々自分がどうしたらいいかわかんなるくらい…好きかな…」
「……そうっすか……
聖知っちをそういう顔にできるのは笠松先輩だけってことっすね…」
「…へ?…そう言う顔って…?」
「幸せそうな顔ってことっす……
俺…聖知っちが幸せなら…
…それだけでいいっすよ…
だから…これからは幼馴染としてよろしくっす…」
「涼太……ありがとう…」
「あ、俺…先に戻ってるっすね?先生に課題提出しに行くの忘れてて…」
「……うん…私もう少ししてから戻るね…」
涼太は私の頭を撫でて一瞬名残惜しそうな顔をしているのが見えて屋上から早々と去っていく。