第25章 調査と報告
ーー桐生視点ーー
「購買からずっと視線が気になってたんで…何か俺に言いたいことでも…」
「いえ…ちょっと笠松君と話がしてみたくて……」
「……話…?」
「ええ…そう言えば…授業前にお話してた…確か聖知さんはいいのですか…?」
「……教師がそう言う話するのどうかと…」
「いけませんか…?では…少し私の話に付き合ってもらえますか?」
「…………」
授業中に苛めてしまったからなのか…
だいぶ私を警戒してますね……
お嬢様の話を振ったらわかりやすいくらいに機嫌が悪くなりました…
「今から話すことは軽く心理テストみたいなものなので軽く聞いてもらえればいいですから…」
「…………」
「そんなに警戒しないでください?」
「もともとこういう顔です。」
「おや…失礼しました。では…
あるところに鳥籠の中に1羽の雛鳥がいました。その雛鳥は最初親鳥と暮らしていましたが…飼い主が雛鳥と親鳥を引き離して雛鳥を鳥籠の中から一度も出さず育てて5年が経過していきました。しかし、ある日その雛鳥は鳥籠から脱走してしまいました。脱走の理由は自由が欲しかったからです。
しかし…脱走した雛鳥はどうなるのでしょうか…
ずっと鳥籠で暮らしていた雛鳥は外の厳しい世界で生きていけるのでしょうか…
私が飼い主だったら外に出た雛鳥を2度と外に逃げないように鳥籠に入れて大切に育てます……笠松君は…この話を聞いて雛鳥が外の世界で生きることについてどう思いますか…?」
さぁ……
あなたの本性を私に見せてください…
屋上の片隅で話をすると、案の定笠松様は怪訝そうな表情を浮かべていた。