第5章 図書館
ーーーある休日ーーー
全中の試合が間近に迫り部活が忙しくて久しぶりの休日に私は都内の図書館まで本を借りに足を運んだ。
「………」
静かに勉強してる人や読書している人ばかりで私も本を探しに行った。
静かに本棚を眺めているとある本に目が止まり手を伸ばして取ろうとしたが…1番高い場所にあるため届かない。
あと少しなのに…
近くに脚立もなくもう一度背伸びをして取ろうとした時後ろから誰かが目当ての本を取ってくれた。
「…⁉︎」
取ってくれたのかそれとも自分以外にその本を狙ってた人がいたのか後ろを振り向くと驚いた。
本を取ったのは花宮真という男だった。
「ハッ…久しぶりだな…聖知ちゃん?」
「花宮…真…」
「おいおい…躾がなってねぇな?俺の方が年上だろ?敬語使えよ。コレ…欲しかったんだろ?」
驚き過ぎて花宮を呼び捨てで呼んでしまい私は冷汗が流れた。
この男が私にタダで話しかけてくる筈ない…
私が欲しがっていた本を片手にオモチャでも見つけたかのように冷たい笑みを浮かべている
「…ありがとう…ございます…⁉︎」
「フハッ…お前、頭いいくせに学習能力ねえ女だなぁ?俺がタダでやると思ってのか?」
意を決して本を取ろうとすると花宮に腕を掴まれ壁側に追いやられ花宮の右手が私が逃げれないように壁に手をついてさっきよりも近づいていた。