第23章 挑発と過去
ーー笠松視点ーー
俺は水瀬に何かあったと思い申し訳なかったが部屋に入り水瀬の聞こえる方へ向かいドアを開けると…
バスタオル一枚の水瀬がいて顔が急激に熱くなるのを感じ水瀬の一声で扉が閉まる。
「ッ……」
情けない話…鼻血が出ているのを確認してその場に座り込んだ。
「あの…落ち着きました…?」
水瀬が風呂場から出てくるとさっきの姿と違い長い髪はまとめられていて白いパーカ姿の水瀬が出てきてティッシュを渡してくれ鼻血はなんとかおさまった。
「笠松先輩…戻ってきたってことは何か忘れ物でもしました?」
俺の情けない姿見せたにも関わらず笑顔で俺に聞く水瀬を見て
無事な姿に安堵して抱きしめた。
水瀬は訳がわからずにいると…本当は言いたくなかったが花宮に会ったことをら話すと水瀬が花宮の名前に反応して抱きしめていた手にまで震えているのが伝わってくる。
俺はあんまり刺激しないよう全中の話をして水瀬を話すと顔を俯かせて泣いていた。
「………そう……ですか…
知っちゃったん…ですね…
私…そのことだけは……笠松先輩には……
知られたくなかったです………」
その言葉を聞くとあのムカつく花宮の言葉が頭に突き刺さる。
水瀬の思考までも花宮の言う通りで改めて花宮に怒りを覚える。
「まぁ…言えるわけねえよな……
…特にお前にだけはな…」
俺は…水瀬の肩に手を置き、真剣な表情で伝えた。
「俺は、知って良かったと思ってる。
水瀬にとって…知られたくない気持ちは…
わかってるつもりだ…
でも…知らないままだったら…力になれねえだろ…
俺が嫌な気持ちも記憶も支える…
もっと…俺に甘えろよ
…水瀬が1人で悩む姿…
もう……2度と見たくねえんだよ」
伝えると水瀬は目から涙が溢れて泣いていてずっと苦しんできたのが水瀬の言葉から痛いほど伝わった。
花宮への恐怖…
過去へのトラウマ…忘れたい記憶…
平気に見えても…いつも苦しんでいた事がわかり俺は泣きじゃくってる水瀬を抱き寄せて唇を重ねて優しく口付けた。