第23章 挑発と過去
「俺は、知って良かったと思ってる。
水瀬にとって…知られたくない気持ちは…
わかってるつもりだ…
でも…知らないままだったら…力になれねえだろ…
俺が嫌な気持ちも記憶も支える…
もっと…俺に甘えろよ
…水瀬が1人で悩む姿…
もう……2度と見たくねえんだよ」
「……笠松…先輩………
私…ッ…全中のことは……ッ…
忘れることは…ッ…ないと思います…
でも…ッ…笠松先輩が抱きしめてくれると…
安心感があってッ…すごく落ち着くんです…
……辛い時や悲しい時は…… ッ…
抱きしめてくれますか……ッ…
私は…ッ……怖いです…
花宮が…いつか本当に……ッ…」
笠松先輩は真剣な表情で私を見つめていてその言葉に自然と涙が溢れてくる。
花宮って聞いただけで身体の震えが止まらない…
いつか本当に誰も助けが来ず…
壊されるんじゃないか…
私は泣きながら身体を震わせて話をしていると、
笠松先輩は私を抱き寄せて唇を重ねて優しく口付けた。
いきなりのことで時が止まったように感じて自然と涙が止まり笠松先輩がゆっくり唇を離すと優しく抱きしめてくれた。
「ッ…//////」
だんだんと思考が追いついてくると笠松先輩にキスされたことを認識して顔が赤くなる。
「辛い時や苦しい時だけじゃねえよ…
いつでも側にいるから…泣くな…
俺が守るって約束しただろ…
あいつの好きにはさせねえ…
俺を信じろ……」
「ッ……はいッ…」
笠松先輩に抱きしめられると今まで震えていた身体がゆっくり落ち着く。
今まで幾度となく笠松先輩に助けられてきた…
その度にいつも抱きしめられると安心感があり、
ずっと前から笠松先輩に恋していたんだと頭の中で考えていた。
私は笠松先輩の服にしがみつき初めて笠松先輩に甘えるように寄り添った。