第23章 挑発と過去
ーー笠松視点ーー
夢じゃねえかと思った……
1年くらい水瀬を想っていて、現実に…
両思いだと…夢を見てるような気がして…
徐に自分の頬を引っ張るが…痛みが走る。
やっぱ…夢じゃ…ねえよな……
そういや…さっき……///
俺は夢を見てるみたいで頬を引っ張ると痛みが走りふと水瀬に頬にキスされたことを思い出した。
ッ……///
ほんと…俺……よく我慢したな……
頬に水瀬の唇の感触が残ってると思うくらい鮮明に思い出しながらしばらく歩いていくと殴るような鈍い音が近くから聞こえてきた。
「おい…もう終わりかよ………」
「うぐッ…もうやめてよッ…花宮くッ…」
「ぁあ゛?…俺に命令してんじゃねーよ…
…テメエじゃ憂さ晴らしにならねえな…死ねよ…」
聞き慣れた声に覗くと花宮が自分と同じ歳おそらく自分の同級生に暴行を働き同級生の頭を地面に足で擦り付けて楽しそうに遊んでいて転がっている同級生を再び殴ろうとしていた。
「おい…やめろッ!!」
同級生は知らない相手だったが咄嗟に止めに叫ぶと花宮はイラつくような表情でこっちを見る。
「ひッ!!ッ…!!」
殴られていた同級生はその隙をついてお礼も言わずにそそくさと逃げ出した。
「…笠松……おい…
サンドバックが逃げたじゃねえか…
……しかし…今日はやってくれたよな……
正直逃げ切れるなんて思わなかったぜ…」
「…お前…いったい…何がしたいんだ……
さっきの奴も…水瀬のことも…
こんなことして何が楽しいんだッ…」
「…フハッ…
さっきの奴は暇つぶしに殴ってただけだ…
やっぱ…他の奴はダメだなぁ…
どいつもこいつも…玩具として欠陥品だ……
お前が邪魔しなけりゃ…
今頃…聖知ちゃんも壊せてたのになぁ…」
花宮は舌打ちをすると路地から出てきて冷酷な笑みを浮かべて俺に近づいてきた。
こいつは…異常だ……
こんなことして何が楽しいのか俺には理解できねえ…