第23章 挑発と過去
「笠松先輩…気をつけて帰ってくださいね…?」
「…いつもより早い時間だし心配ねえよ…
それより、春っていってもまだ寒いんだから…早く部屋に入れよ…風邪引くぞ…」
あの後、笠松先輩から「もう遅い時間だから…そろそろ帰る」と言い出し、
マンションの玄関先まで見送った。
「…笠松先輩も…風邪引かないように気をつけてくださいね?」
「……あぁ……その………なんだッ…
今日は嫌なことも…色々あったが…
水瀬の気持ちが…知れてよかった…///」
「…///
私も…笠松先輩が…好きって言ってくれて…
嬉しかったです///」
「ッ…///ほら…もう部屋入れよッ…
明日…部活に遅れんなよッ///」
笠松先輩に手を振ると笠松先輩は向き直り視線を逸らして恥ずかしそうに顔を赤らめながら今日の私の告白について話をした。
今でもぎこちない言葉での告白の記憶が鮮明に思い出され自然と顔が赤くなり笠松先輩の告白についても話すると笠松先輩も赤くなり隠すように背を向け軽く手を振り帰っていった。
私は、笠松先輩が見えなくなるまで見ていてマンションの部屋へと入り一息ついた。
今日は本当にいろんなことがあった…
花宮のこと…
自分の気持ち…笠松先輩の気持ち…
「これって…夢じゃ…ないよね…///」
まるで身体がふわふわするような感じがしてふと額にキスされたことを思い出し額に軽く触れ自然と顔が赤くなる。
でも……浮かれてばかりじゃ…いけない……
私は…涼太に話さないといけない…
笠松先輩が…好きだってことを……
涼太が告白した事を思い出して、想いに応えられない事を伝えないといけない事を考えると申し訳ない気持ちに包まれるが「明日頑張って伝えよう」と疲れを癒すためお風呂へと向かった。