第22章 初デート （告白と波紋）

「……大丈夫だ。俺がいる…ゆっくりでいい……」

俺は…水瀬の手を優しく握ると弱々しい力で俺の手を握り返してきたのがわかる。


無理もねえ…そんだけのことされて…

平気なわけねえ…


水瀬はゆっくりと話始めると身体を震わせて思い出したように泣き出して最後まで話そうとしていたが…俺はもう見ていられず近くにより話を遮り水瀬を抱きしめた。




水瀬の気持ちに寄り添いたいと思っていたが……


結局…嫌なこと思い出させて……泣かせただけだ…


俺は2度と水瀬を離さないようにギュッと抱きしめ、ふと水瀬の表情を見ると涙目で俺にしがみついている姿を見て…


情けない話………欲情しちまった……


俺は今すぐ水瀬に触れたい気持ちになりながらも必死に理性と闘いさらにギュッと抱きしめると俺を呼ぶ水瀬の声が聞こえる。



くそッ……情けねえ……


今はッ……ダメだッ……ッ…


落ち着けッ……ッ…傷つけるだけだッ…


嫌われてもいいのかッ……



俺は自分に何度も言い聞かせるように理性と戦い深呼吸してため息をつくとそっと水瀬を離した。



水瀬は…無自覚だろうが……

同じことがあれば……襲わない自信がねえ……

無自覚だからこそ…

ちゃんとわからさねえと…いけねえな…




「水瀬……俺から…一つ忠告だ……」

水瀬は既に泣き止んでいて俺の言葉に今から何されるのかもわからずキョトンとした表情で俺を見つめていた。


ほんと…無自覚って……怖えな……


俺のこと信頼してくれているのは嬉しいが…


俺は、その場に水瀬を押し倒すと覆い被さった。

案の定水瀬はなぜ押し倒されているのか
わからないような表情を浮かべている。