第21章 初デート 後編※
そこからは、ただずっと走って逃げた…
花宮が待ち伏せしていて俺は水瀬の手を強く引き狭い路地を全力で走り抜けて正規の道じゃなく入り組んだ道ばかりを選び、時間はかかったが花宮たちを撒き公園まで走って逃げ切った。
「ッ……はぁ…はぁ…」
「水瀬…大丈夫か…?」
「だ…大丈夫です…」
「…助けるのが遅くなって悪かった…本当に…だ……」
公園のベンチに座ると水瀬が息が上がっていて休憩するために座って様子を伺ったが思ったよりも大丈夫そうだと思いもう一度水瀬を見ると顔を俯かせて水瀬は泣いていた。
「ッ……大丈夫ですっ…て…言いたいですけど……ッ…本当にッ…もう…ダメかとッ…ッ…」
当たり前だ……大丈夫なはずねえだろ……
3人がかりで襲われて平気なわけねえだろッ……
ッ…俺はッ…
俺のせいでッ……!
俺は必死に涙を拭っている水瀬を強く抱きしめた。
「悪い……俺が目を離した隙にッ……」
「笠松先輩はッ…悪くありませんッ…私がはぐれてッ…!」
「悪りいが…しばらくこのままでいてくれ…」
俺は守れなかった不甲斐なさに水瀬を危険にさらしたことに責任を感じ謝ろうとすると水瀬は泣きながらでも自分のせいだと離れようとした。
水瀬が悪いわけ…ねえだろ…
もう2度と離したくねえ……もう2度とッ……
もっと…ちゃんと…守ってやりてえ……
先輩じゃねえ………
1人の男としてッ……
俺は離れようとした水瀬をさらに強く抱きしめて2度と離したくなくてただギュッと抱きしめ水瀬が声をかけても離さずしばらく俺と水瀬の間に沈黙が続いた。
ーー笠松視点終了ーー