第21章 初デート 後編※
…なんでここにッ…
ッ……どこだッ…どこにいるッ…
気持ちばかりが焦りふと学校帰りの水瀬の言葉が鮮明に思い出す。
<回想>
「1人で歩くのはまだちょっと控えたいので今度部活が休みの日に付き合ってもらえませんか?」
<回想終了>
ッ……俺のせいだッ……
俺が1人にしたからッ…
拳をギリっと握り閉めて地面を拳で殴るとある物に目が入った。
これはッ……確か水瀬が着けてた…
俺が髪留めと思わしきものを拾い上げると壊れていて水瀬が危険な状態であることを悟った。
ッ…落ち着け……
これがここにあるってことはッ……さっきまでいたってことだろッ…
ならなぜ見つからないッ………隠れている……
俺が探してかれこれ数分経つ……まだ遠くには行っていないとしても…どこにッ…
俺は思考を巡らせ考えるとある結論に答えを見出した。
俺の中で、こんなことする奴は1人しか思いつかなかった。
あいつがやりそうな事を考えるのも癪に障りイラつくが…
俺は、花宮なら絶対にここを通ると確信があった。
もしかしたらあのスマホは罠かもしれねえ…
でも今は勘に頼らねえと間に合わなくなる気がして俺はわざと探しに行くフリをして裏路地を通る手前の路地に身を潜めた。