第21章 初デート 後編※
「あの……///」
「………」
「笠松先輩…?」
「…………」
笠松先輩は抱きしめたまま何も話さずただギュッと抱きしめたまま動かなかった。
そういえば…笠松先輩は…私のいる場所がどうしてわかったのだろう…
ーー笠松視点ーー
有名人か芸能人か何か知らねえが人ごみが移動するとようやく人がまばらになってきて俺は水瀬がどこにいるか探した。
全く…なんだ…あの人混みは…
「水瀬…?」
辺りを見渡しても水瀬の姿はいない。
俺みたいに人混みに流されたのか道を戻ったり先の方まで行っても水瀬の姿は見つからない。
スマホで連絡を取るが電源が切れているようで繋がらなかった。
「水瀬ッ!どこだッ!」
大声で呼びかけても誰も返事を返さず…再び探すとある会話に耳が入り立ち止まる。
「なぁ…あの女の子やばくなかった…?」
「なんか…揉めてたっぽいけど…あんまし関わらない方が…」
「すごく可愛い子だったけどなんか…やばかったよな…」
「おい…その話…詳しく教えてくれ…」
俺は1組のカップルに話しかけ詳しく話を聞き目を見開き驚嘆した。
「あなたの知り合い…?なら…」
「黒髪の綺麗な女の子が、そこの路地の所で男に連れられていかれたっていうか…なんかちょっと雰囲気的に友達っていうより…なんかやばい感じがして…」
「ッ…どっちにいったかわかるか…?」
「いや…そこまでは…」
「わかった…助かるッ…」
俺はカップルにそういうと裏路地に入りいろんな場所を探し回った。
「水瀬ッ!どこだッ…水瀬ッ!」
俺は路地を探したが水瀬は見つからない…
悪い予感がするッ…
俺が目を離したばかりにッ…!
ふと路地を走っているとふと地面に壊れたスマホが落ちていた。
そのスマホは見覚えがあり、水瀬はスマホにイルカのストラップをつけていて全く同じものが地面に液晶が割れて壊れていて転がっていた。