第21章 初デート 後編※
「ッ……はぁ…はぁ…」
笠松先輩が予想以上に速くて息を切らしてさっきの場所から離れた公園までくると立ち止まる。
「水瀬…大丈夫か…?」
「だ…大丈夫です…」
ベンチに座って休憩していたらいつのまにか時間がかなりたっていて夕方になっていた。逃げ切れたんだと思うと安心して目から涙が溢れ溢れた。
「…助けるのが遅くなって悪かった…本当に…だ……」
「ッ……大丈夫ですっ…て…言いたいですけど……ッ…本当にッ…もう…ダメかとッ…ッ…」
笠松先輩は私が泣いているのを黙って見ていて、涙を流して拭っても止まらずにいると笠松先輩に強く抱きしめられる。
「悪い……俺が目を離した隙にッ……」
「笠松先輩はッ…悪くありませんッ…私がはぐれてッ…」
「悪いが…しばらくこのままでいてくれ…」
「ッ…ッ…/////」
抱きしめられると慌てて離れようとすると笠松先輩はさらにギュッと抱きしめ私も顔を赤らめながらも抱きしめられると心が落ち着いていき安堵感を感じいつの間にか涙も止まっていた。
私は抱きしめられながら気づいた。
笠松先輩が助けに来てくれた時、強く抱きしめられた時、胸が高鳴る感じは今まで何回か経験していた。
さっきも今も抱きしめられていて安心感と同時に笠松先輩への気持ちが……
これは…憧れや尊敬じゃない…
胸の鼓動がうるさいくらい高鳴り笠松先輩に聞こえるんじゃないかと思うくらいドキドキしていた。
私は笠松先輩に恋している。
私の初恋……好きになる気持ちってよく分からなかったけど…さつきちゃんが言ってた言葉を頭の中で思い出した。
自分では気づかないうちに気持ちが尊敬から恋に変わってるのを今回初めて自覚した。
笠松先輩が好きだと……