第21章 初デート 後編※
「Σッ…うわッ…ッ!」
「ッ…!?」
「…こんな事だろうと思ったぜ……」
裏路地から抜ける手前で、右側の路地から腕を強く引っ張られると何が起きたかわからず聞き慣れた声が頭上で聞こえると笠松先輩が私の腕を引き肩にまで手を回してギュッと抱き寄せていた。
「…笠松…先輩…?」
「遅くなって悪かった…もう大丈夫だ。」
笠松先輩に会えて安心したのか我慢していた涙が溢れてきて笠松先輩は黙って頭を撫でてギュッと抱きしめてくれた。
「ッ……////」
ギュッと抱きしめられると笠松先輩の胸板に押し付けられて胸が高鳴り自分でも顔が赤くなる感じがわかりさっきまであんなに怖かったのが不思議と落ち着いてしまっている自分がいた。
「おい…何…無視してんだよ……原…誰が離せって言った…」
「いやぁ…いきなりだったし…でもいけるっしょ…こっち3人だし…」
「逃げ道なんてないんだろ…そうだろ…花宮…」
花宮が私と笠松先輩のやりとりを見て眉間に顔を寄せてイラついたように原を睨みつける。咄嗟のことで離してしまったことで銀髪の少年は悪びれる様子もなくガムを噛んで余裕の笑みを浮かべていた。
オレンジ色の髪の仲間は笠松先輩がいても花宮に目配せをすると花宮は不敵に笑った。