第21章 初デート 後編※
「ほらほら…ダメだって…」
「ッ…んんッ…ッ…!」
名前も知らない相手に再び耳元で囁かれると耳を舌で舐められ、押さえている手の力を強められ抵抗しても無駄に終わる。裏路地にコツコツと歩く音が響くと見知った男が目の前に現れた。
「ッ……」
「フハッ…久しぶりだな…元気だったか?聖知ちゃん…ずいぶん楽しそうに笠松とデートしてたな…まぁ、それも終わりになるけどな…」
「ッ…!!」
花宮は私に近づくと私が持っているスマホを奪い地面に落とすと足で液晶を割りスマホを踏み潰して使い物にならないように壊した。
「ッ…!」
「……前はこれのせいで逃げられたからな…これで笠松にも連絡は取れねえだろ?」
いきなりスマホを壊されて、驚きと怒りが沸き立ち花宮を睨みつける。
笠松先輩と一緒にいた事を知っていた時点で待ち伏せされていたと理解し、
あの時の嫌な感覚は間違いじゃなかったと私は悟った。
花宮は仲間にしゃべれないように口を押さえている手を離すように合図すると、私の顎に手を滑らせて強引に強く掴み自分のほうに無理矢理向かせる。