第20章 初デート 前編
ーー笠松視点ーー
「………」
「あの…笠松先輩…?」
「ん…どうした…?」
「あの…どこまで行くのかなぁ…と思いまして…」
「……ここどこだ…?」
俺はまた、水瀬の手を引いたまま目的地のないまま歩いていると中心部からいつの間にか離れて歩いていた。
「とりあえず…近くのお店に入りませんか…?」
「あ…あぁ…///」
顔を赤らめて握っていた手を慌てて離すと、近くにある和食屋へ入店した。
ーー笠松視点終了ーー
「って…なんでお前がまだ居るんだよッ…!」
「そりゃ気になるだろ…今日は笠松を見て今後の参考として反省点、改善策を抽出して俺のデートプランとして役立たせてもらうからな。」
「これ食ったらマジで帰れよッ…」
「なんか漫才してるみたいですね。」
2人のやり取りを見ていると自然におかしくなりクスクス笑い出してしまう。
「お前が変なことばっか言うから水瀬が笑ってんじゃねーか…///」
「おいおい…笠松なんで露骨に目を逸らしてんだ?」
「うっせえな…なんでもいいッ…Σッ…森山ッ…ちょっと来い…!」
「なんだよ…笠松ッて…引っ張るなよ…」
「水瀬…すぐ戻るから待ってろ。」
「…???…はい?」
笠松先輩が急に立ち上がり店の外まで引っ張っていった。
よく分からないままメニューを見ながら待つことにした。