第20章 初デート 前編
ーー図書館ーー
「ありがとうございます。」
私は図書館に行き注文していた本を受け取った。
日本国内にしか流通していない本で父に頼まれて明日アメリカに郵送する予定だ。
「何…頼んだんだ…?」
「えと…医学の専門書ですね…」
「水瀬は…医者になりたいのか…?
「いえ…これは私のじゃなくて父に頼まれて…この本国内にしか流通していないみたいで…あとでアメリカに…」
「アメリカ…?両親は一緒に住んでいないのか?」
「はい、一緒に住んでたのは小学生までで…「ま…まじかよ…」」
「両親は結構、海外飛び回っていたので中学上がるタイミングで日本に帰ってきたんです。」
「…寂しくねえのか…?」
「寂しくはないですね…今は日本での生活の方が楽しいです。」
本を持って笠松先輩と図書館から出て行き、表通りにある楽器屋へと向かった。
「へぇ〜あの子が花宮のお気に入りなの?」
「あんな可愛い子虐めて喜んでるって…ほんとお前ってかなり性格歪んでるよな…」
「ここまで長い玩具は久しぶりなんじゃねーか…でも、笠松いるけどいけんのか?」
「フハッ…いまさらわかりきったこと言うなよ…笠松1人いた所でガードなんかできねえんだよ…まだまだ痛ぶって遊ぶのもいいが…そろそろ本気で壊すのもいいかもな…」
この時の私は知らなかった。
遠くから霧崎第一のメンバーに見られていたことに…
そして…この日を境に自分の想いに気づくことになることも…