第19章 決着
ーー笠松視点ーー
「あの…笠松先輩……本当に涼太は先生に呼ばれていたんですか…?」
黄瀬が体育館から出ていった後、水瀬は黄瀬の態度に明らかに嘘だと見抜いていて俺が教師に呼ばれていると言ったことも嘘だと見抜かれていた。
まぁ…あれじゃあ…すぐバレるよな…
黄瀬…演技が下手くそすぎだろ…!
「……あ…あれだ……」
「本当は別の用事でいなかったんじゃ……私の嫌がらせの件と…何か関係あるんですか…?」
全部バレてんじゃねーか……!
あいつの演技力じゃ全然隠しきれてねえし…
水瀬は悲しそうな表情で不安そうな表情を浮かべていて、俺は嘘とバレていてもなるべく水瀬が傷つかないようにゆっくり話をした。
「何も心配いらねえよ…言っただろ?守るって…。」
「……ありがとうございます」
「Σッ…///」
水瀬はそれ以上何も聞かずに俺に微笑みかけると顔が熱くなるのを感じ咄嗟に後ろを向く。
「あ…その…水瀬…あ…明日…///」
「……?」
「い…家まで…迎えに…いくから…10時…くらい…でいいか…?」
「…約束…覚えててくれたんですか…?でも…家まで来てもらうのは流石に…」
「ひ…1人になる方が危ないだろッ…」
「あ…じゃあ…マンションの前でも大丈夫ですか…?」
「あ…あぁ…」
忘れるわけねえだろ…
休日に一緒に出かけるのは初めてだし…
日にちが近づくたび毎日ずっと待ち遠しい反面ドキドキしちまうし…
水瀬にそう言うと俺は再び照れた顔を隠すように練習へと戻った、
ーー部活終了後ーー
俺は、部活が終わると黄瀬から事のあらましを聞き安堵した。
話を聞く限り、暴力で解決はしてねえし、話し合いで解決したと聞いてどんな話し合いで解決したかわからねえが…それ以上俺は聞かないことにした。
本当は俺1人で守ってやりてえが……
今回は、黄瀬の起点のおかげで水瀬が危ない目に合わずに済んで本当に良かった…
ーー笠松視点終了ーー