第19章 決着
ーー海常高校 部活後 帰り道ーー
「…ねえ…涼太…ところで課題は提出できたの?」
「…え…あ…も…もちろんっすよ?」
部活の帰り道、笠松先輩たちと別れると先生に呼び出された話を涼太にした。
「それ…嘘なんでしょ…?」
「ぇ…?」
「嘘つく時いつも涼太は目を逸らすから…笠松先輩も一緒に嘘ついてたって事は…部活に遅くなってたのって、嫌がらせのことが原因…?」
「え…いや…その……」
「……ありがとう…」
「…ぇ…」
「涼太のことだから私が傷つかないように配慮してくれたんでしょ…」
「………聖知っち…もう、心配しなくて大丈夫っすよ…。
……俺のこと少しは見直してくれたっすか…?っなんて…」
「うん…涼太、中学の時よりも頼もしくなったよ」
「ッ…/// ほ…本当っすか…?」
「あとは勉強をもうちょっと頑張った方がいいと思うけど…」
「…う…それは………」
あの時の涼太の態度は明らかに挙動不審で嘘をついているのが丸わかりだった。先生の話が嘘なら笠松先輩も嘘をついていたことになる。
2人が嘘をつくのは1つしか思いつかない。
中学の時よりも頼もしくなった涼太を見て微笑むと涼太の顔がほんのり赤くなっていた。
「じゃあ、涼太…またね…」
話しているうちに私のマンション付近について軽く手を振り部屋へと入っていった。