第18章 許さない
ーー黄瀬視点ーー
俺は体育の時間が終わると3年の教室へと向かった。
部活に遅れそうっすから予め言っておかないと…
それと…笠松先輩だけには…伝えないと……
一応……俺が認めたライバルっすから…
「なんだ…黄瀬…ッて…お前…なんで体操服何だよ…」
「…笠松先輩…ちょっと…いいっすか…?」
「……!」
俺は笠松先輩を呼び出すと案の定俺が体操服なのに驚いていた…
昼休みに来ると聖知っちを1人にさせてしまう。
先輩もただならぬ俺の雰囲気に気づいて階段近くで今日俺がファンの女たちから聞いた話をした。
「………水瀬は…知っているのか?」
「……知らないっす…とりあえず、手紙は先に処分したから聖知っちが行くことはないっす…俺……部活に遅れるんで聖知っちが体育館に来たらあとはよろしくっす。俺が戻るまでは聖知っちのこと注意して見ててほしいっす…」
「……どうするつもりだ…黄瀬……」
「……笠松先輩…この件は俺に一任してほしいっす……。今日中に片つけるっすから…」
笠松先輩も俺と同様拳を握りしめて許せない表情を浮かべていた。
お互い惚れた者同士聖知っちを託せるのは笠松先輩以外思いつかなかった。
ほんとは俺1人で守りたいっすけど……
それだけ笠松先輩に話すと、俺は教室へと戻っていった。