第18章 許さない
ーー笠松視点ーー
「………」
今日朝練が休みでまだ水瀬と顔を合わせていない。
朝、心配になりLINEで連絡すると「大丈夫です」と言うのみだった。
本当に大丈夫なのか…気になるところだが…
俺はふと窓を見るとどこかのクラスが体育の授業中だった。
マラソンを周回していてよく見ると水瀬がいた。
思ってたよりも元気そうだな…
ッ…やっぱ、笑ってる方が…///
今日はポニーテールの髪型でいつもと違う雰囲気でクラスメイトと一緒に走っていて授業中なのを忘れて俺はずっと眺めていて元気そうな水瀬の姿に自然と笑みが溢れる。
「おい…笠松…笠松……」
「ッ…何だよ…!?」
「笠松…そんなに外が気になるか?」
俺はずっと外を眺めていて数学教師が問題を当てられたのにも気づいていなく
森山が小声で声をかけているのに気づき何度も俺を呼ぶ声にイラッとし振り返ると満面の笑みを浮かべた教師が立っていた。
「いや…その…」
そのあとは言うまでもなく数学の難解問題を解くのに当てられてしまい何とか回答できたものの「授業に身が入っていない」など教師には小言を説教された。
ーー休み時間ーー
「笠松…さっきの授業中何を見てたか当ててやろうか?」
「別に…て…天気の心配してただけだッ…」
「嘘つけ…聖知ちゃん見てたんだろ?」
「Σッ…ち…ちげえよ!!変な妄想すんなッ!」
「俺にはわかる!聖知ちゃんって可愛いもんな?確かサッカー部の主将の小林も今度聖知ちゃんに告白するって言ってたなぁ…」
「ッ…そう…なのか…?」
「そうだ…笠松、今から告白しに行ったらどうだ?」
「Σッ…うっせえ!!だから違うって言ってんだろッ!!」
俺が教師に怒られ終わると森山は茶化してきてすぐに水瀬を見てたことがバレた。
くそッ…こいつに茶化されると腹立つッ…!
サッカー部の主将って言えば確か…遊び人って噂をよく聞く…
簡単に告白できれば苦労なんてねえんだよッ…!
俺は森山がいつまでも茶化すのを聞いてイライラして教科書を丸めて頭を殴りシバいた。
ーー笠松視点終了ーー