第18章 許さない
「あれ…涼太…先に行ったのに…」
「………トイレ寄ってただけっす…」
「……どうしたの…?怖い顔して…」
私より先に教室に行ったはずの涼太が後から来ていた。
さっき職員室で別れた涼太とは違い何か怒っている様子で怖い雰囲気が流れていた。
「聖知っち……俺が守るから…大丈夫っすよ…」
「………涼太…?」
涼太はそう言うと、私の手を握りしめてそれ以上何を聞いても答えてくれなかった。
ーー体育の時間ーー
ーー黄瀬視点ーー
「………」
今日の授業で手紙を入れる事ができるのは、移動授業と体育の時間だけ…
靴箱も見たっすけど…無かったからこの時間に仕込んでるはず…
俺は誰もいない教室に入り聖知っちの机から書いた覚えのない俺の名前が入っている手紙を取り封を開けた。
「……何すか…これ…俺…こんなに字汚くないっすよ…」
手紙を握りつぶすと自分の鞄に押し込めて再び運動場へと戻る。
これで聖知っちが手紙を読むことはない……
あとは………