第18章 許さない
ーー黄瀬視点ーー
「涼太…私、先生に提出しないといけないものがあるから先に教室に行ってて?」
「わかったっす…」
俺は聖知っちと職員室の前で別れると俺はひと足先に教室へ向かった。
「ねえ、あいつどうする?昨日も結局部活出て涼太にくっついてなかった?」
教室に向かう途中、階段を登ろうとすると俺の名前が出て咄嗟に隠れた。
確か…俺のファンの…
やたら俺にベタベタ触ってくる女…って印象しかないっすね…
この女たちか……
俺は、死角となる場所からバカ女たちの会話を聞いていてすぐに聖知っちに嫌がせしているファンだと確信した。
咄嗟に出てこうと思ったが、朝の聖知っちの言葉が頭によぎる。
「……涼太…お願いだから…危ないことはしないでね…?確かに毎日辛かったけど……ファンの子たちは涼太を大事に思ってるから…そういう行動しちゃったんだと思うし…」
俺はグッと堪えてその場から離れようとした時、信じられない言葉が耳に入ってきた。
「涼太の名前を使ってあの女を呼び出して…ほら…この学校の端に使われてない倉庫あるじゃん?飢えた男を使って犯させて、写真とか動画撮ってSNSとかにアップしない?」
「へえ〜面白そう!いつやる?」
「今日の放課後とかいいんじゃない?さっきあの女の写真隠し撮りしたやつ送ったらOKだって。」
………もう…限界………
聖知っちが何をしたって言うんすか……
大人しくしてるんなら…厳重注意で…済ませようと思ったけど…
……必要ないっすね…
女だからってもう遠慮しないッ…後悔させてやるよ……!
俺は会話を全て聞き怒りで頭がどうにかなりそうだった。
拳を強く握りしめ、唇を強く噛み締めて口元から血が流れるのもかまわずその場を後にして教室へ向かった。
ーー黄瀬視点終了ーー