第17章 勘違いと真実
ーー海常高校 バスケ部 部室ーー
「…という事があって保健室にいたって嘘をついてたの。」
私は涼太に全てを話した。
涼太のファンからの嫌がらせ、それが中学の時からあったこと…
誰にも相談できずやっとの思いで相談しても助けてはもらえなくて…
ずっと1人で黙っていたこと…今日、バットで殴られそうになった時偶然笠松先輩が助けてくれたこと。
涼太は信じられないような表情で拳を握り締めて途中で話を遮ろうとすると笠松先輩に「黙って聞け」って諌められていた。
「…俺のファンの女の子が…聖知っちに……」
「今日、俺が止めなかったら水瀬は大怪我してたかもしれない状況だった。……黄瀬…お前…本当に気づいてなかったんだろうな…」
「知らなかったすよ!知ってたら…俺…ッ…」
涼太はやっぱり予想通りショックが大きく信じられない表情を浮かべていた。
自分のファンがこんな…ことしてるって知ったらショックだよね…
「…ごめん……ショック…だよね…ファンの子たちがやってるって知ったら…」
「………聖知っち…何…謝ってるんすか……
俺はッ…ッ…ファンとかそんなのどうでもいい…!
ずっと…中学の時から…そんな辛い思いさせてたかと思うと…ッ…ごめんッ…」
涼太は私の両手を握り悲しそうな、申し訳なさそうな表情で謝った。
「ありがとう…涼太…」
「笠松先輩……この話…俺に一任させてもらっていいっすか…
自分でけじめつけるっすよ…」
「なんか、策とかあんのか?」
「もう、2度と聖知っちに辛い思いはさせない…
俺に任せて欲しいっす…」