第17章 勘違いと真実
「涼太…話聞いてどう思うかな…」
笠松先輩から「今日黄瀬と話す」と聞いて一緒に話をすることになったけど、
正直どう反応するかわからなくて私は体育館の鍵を閉めて部室へと足を運ばせた。
「遅くなり…ぇ…え!?…ちょ…笠松先輩…!?
何してるんですか…!?」
ノックして部室に入ると笠松先輩が涼太の胸ぐらを掴み今にも殴りかかりそうな勢いだった。
「もういい。黄瀬に話しても無駄だ。水瀬、帰るぞ。」
「ちょ…!ちょっと待って欲しいっす!!
先輩…今…なんて……」
「… 知ってて放置してたやつに何も話すことねーよ!」
笠松先輩はすごく涼太に怒っていて胸ぐらを離すと部室を出て行こうとしたら涼太がすぐに扉に立ちはだかり止めていた。
「ち…ちがうっすよ…!俺は別の話だと……今日…先輩と森山先輩が話してるの聞いて…笠松先輩が5限目保健室にいて…聖知っちも保健室にいたから…てっきり…その……俺に付き合ってるって…言いたくて……
いっ…痛ぁあっ!!」
「お前っ…まぎわらしい返答しやがって…!!ややこしいんだよ!!」
「い…痛いっすよ!…先輩が変なこと言うから!」
「ちょ…!笠松先輩、落ち着いてください…!」
偶然ついた嘘が涼太は何か勘違いしているようでなぜか笠松先輩の顔がみるみるトマトのように真っ赤になって涼太の頭にゲンコツをくわらせてしばいていた。