第17章 勘違いと真実
ーー海常高校 バスケ部 部室ーー
ーー黄瀬視点ーー
「…で…話ってなんすか…」
「待て、もう少しで水瀬が来る。」
あれから聖知っちが貼ってくれた湿布で痛みが緩和されて練習も無事戻る事ができた。
先輩や他の部員が帰った頃に部室には俺と笠松先輩だけがいて聖知っちが来るのを笠松先輩は待っているようだった。
…やっぱり…聖知っちに関する話だった…
……もういいっすよ…
「聖知っちに絡んだ話ってことっすね…大体何の話かわかるっすよ…」
「……お前……まさか……気づいてたのか…?」
「そりゃ気づくっすよ…まあ…気づいた所で…今の俺には何もできないっすけど。」
笠松先輩は俺の言葉に驚いていてすぐに不機嫌そうな顔をしていた。
気づくっていうか…聞こえてるっつーの…
…もう帰りたいっす…どうせ…2人は…
「…おまえ…ソレ…本気で言ってんのか…?」
「っ…!
…何すか……オレにどうしろって…」
笠松先輩はすぐに怒っていきなり俺の胸ぐらを掴んできた。
2人が付き合っているのを何でいちいち話聞かないといけないんすか…!
俺は笠松先輩が怒っているのもお構いなく冷めた目で睨みつけた。
「水瀬は……!
おまえのファンからずっと嫌がらせを受けて…それでも1人で悩んで今まで苦しんで耐えてきたんだよ!それを……おまえは知ってて……放置してたのかよ!」
「…え……?」
ーー黄瀬視点終了ーー