第16章 嫌がらせ
ーー笠松視点ーー
水瀬から中学の話を聞いた時衝撃的だった。
傷ついてるのを知って何もしないなんて俺には考えられねえ…
つくづくひどい環境で耐えながらやってきたのを感心すると同時にそれが原因で誰にも頼るのをやめてしまったことに苛立ちを覚えた。
方針には口出す気はねえが…マネージャーをなんだと思ってやがる…
「本気でそう思ってんなら…マジでシバくぞ…
俺に言ったよな…?海常がまとまったチームって…チームっていうのは選手だけじゃねえ。それを支えてる応援、水瀬全員含めてのチームだろ?
俺は水瀬が知ってて苦しんでる状態で放置して勝ってもちっとも嬉しくねえよ。」
俺は、水瀬が海常に入ってくれてとても嬉しかった。
しかも、俺に惹かれて…海常に入ったのを聞いて正直心のそこから舞い上がってたし…だからこそ…
好きな女が傷ついてるのを黙って見てるだけなんて…
水瀬自身が海常でも頼ることをやめてしまってることに対してもっとチームや俺を信じて欲しかった。
「……笠松…先輩……
…ありがとうございます…私は…本当に…気持ちを押し殺していただけなのかもしれませんね…」
水瀬は驚いた表情を浮かべるもどこかスッキリした表情を浮かべた。
こんな思いは絶対に…二度とさせねぇ……
好きな女が…泣いてる顔なんて…もう見たくねぇ…
「水瀬、約束してくれ、もう1人で悩まないって…何かあればすぐに話せ。」
俺は、二度と水瀬には1人で悩んでほしくなくてもっと頼ってほしい。
水瀬から俺の予想とは違う答えがかえってきた。