第16章 嫌がらせ
「じゃあ、指切りしませんか?」
「Σはっ…?し…し…しねえよ…子供じゃあるまいし…」
「…そう…ですか…」
「っ……っ……わ…わかった…するから…一回だけ…だからな?」
約束と聞いて指切りしませんかというと笠松先輩は顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
子供っぽい…か…
そう言われて少し寂しく感じていると笠松先輩は顔を赤らめて手を差し出してくれた。
こういうの苦手なのに私に合わせてやってくれるのもほんとに嬉しくて笑顔で笠松先輩と指切りをした。
「あの…それはそうと…授業…よかったんですか…?」
「あぁ…適当に保健室にいたことにしとくから気にすんな。
……水瀬…さっき…あれだ…シバくとか…言ってたけど…
「…???…マジでしばくぞって言ってたことですか…?」
「っ…り…リピートすんじゃねえよ…本気で言ったわけじゃねえ…から…気にすんなよ…あと…その……体育館で怒鳴って悪かった…怒りで……つい…」
「…なんで謝るんですか…?私、本気で怒ってくれてとても嬉しかったです。
少しびっくりしましたけど…それぐらい心配してくれたってことですよね…ありがとうございます…」
話がひと段落して授業中でもうすぐ午後の授業が終わる。
きっと教室に帰ったら涼太はまたうるさいだろうなっと思っていると笠松先輩は咳払いしたりして視線を逸らしながら話をした。
体育館で怒鳴っていたことやシバくと言ってたことに関して申し訳なさそうに謝ってきた。
今までここまで真剣に私のことを怒って心配してくれたのは初めてでとても嬉しかった。本当に海常に入ってよかったって思う…
「笠松先輩……本当に…ありがとうございます。」
「あ…あぁ…///」
私と笠松先輩は2人で午後の授業が終わるまでおしゃべりをして過ごした。