第16章 嫌がらせ
(帝光中 バスケ部 回想シーン)
私は何を期待していたんだろう…
花宮に襲われて心配してくれた赤司くんはもういない。
練習に出なくていいなんて…
「待って。聖知ちゃん!」
「ごめん。さつきちゃん、もういいよ。私、もう少し頑張ってみるから。」
「何言ってんの!?ダメだよ!このままじゃ…」
「……赤司くんの言うように、勝利する上で私の件は関係ないし…さつきちゃんは気にしないで…ほんと大丈夫だから…」
部室から出た私をさつきちゃんが追いかけてきた。
嫌がらせを受けるたびにさつきちゃんは助くてくれていて心強い。
でも、私はこれ以上誰にも迷惑をかけたくないし誰の負担にもなりたくない。
「大丈夫だから」と自分に言い聞かせて中学卒業まで嫌がらせに耐えてきた。
(帝光中 バスケ部 回想シーン終了)
「なので…それ以上は何も言えませんでした…」
「………水瀬…うちに入っても、まだ勝つ上では自分のことは関係ないって本気で思ってんのか?」
「…でも……私のせいで…練習に影響があれば…」
「本気でそう思ってんなら…マジでシバくぞ…
俺に言ったよな…?海常がまとまったチームって…チームっていうのは選手だけじゃねえ。それを支えてる応援、水瀬全員含めてのチームだろ?
俺は水瀬が知ってて苦しんでる状態で放置して勝ってもちっとも嬉しくねえよ。」
笠松先輩は私の話を聞くと真剣な表情で話をした。
そうだ…私が…海常に入った理由は……
いつの間にか周りに頼らず自分で無理し続けて…それが当たり前になっていのたのかな…
「……笠松…先輩……
…ありがとうございます…私は…本当に…気持ちを押し殺していただけなのかもしれませんね…」
「かもしれないじゃなくて…押し殺してんだよ…俺には無理しているのがバレてんだよ…
ただ……あの時……もう少し強く聞いていれば…もっと早く気づけたかもしれねえ…悪い…」
「え…あ、謝らないでくださいっ…」
「水瀬、約束してくれ、もう1人で悩まないって…何かあればすぐに話せ。」
真剣な表情で笠松先輩はそういうと私はゆっくりうなづいた。