第3章 入試
周りの受験生に流されるようにして、大きな会場に辿り着いた。
巨大な円形の階段教室といったような形の広い空間に、沢山の受験生もといライバルがいる。
こんな状況でドキドキしない中三はいるだろうか?そわそわと落ち着かないまま試験開始を待つ。
––はっ、腕時計ちゃんと持ったっけ?
ふと気付き、慌てて左手首を見遣る。
ああ、ある。
あれ?葉っぱの入った袋、どこ入れたっけ?
今度はまた違う物のありかを探る。
数分探しても見つからず、そろそろ泣きそうになった頃にブラウスの胸ポケットにて漸く見つけた。
そんな事をしているうちに試験開始時刻となったようで、プロヒーローのプレゼントマイクが壇上に現れた。
彼が特有の大きな声で試験の説明を叫び