爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第5章 悪意 中國山地
宇喜多は再びコーヒーに口をつけた。三沢は手にコーヒーと砂糖入れを持って宇喜多の対面に座った。
「ところで、さっきおっしゃられていましたが、星川女王の化粧はマスタードレベルじゃないと無理なんですかね」
「無理だろうな。聞く所によれば国家予算級の開発費だそうだ。あのオリーブ女も随分苦労するの」
「オリーブ‥? ああ、上杉橄欖(うえすぎ かんらん)ですか。あの露出狂女」
宇喜多は呆れたように口角を上げた。
「本当、君も随分言う様になった」
「星川の連中には色々喰わされましたからね。言いたい事は山ほど」
「ふ、あの小童どもの見え透いた手に乗る貴様らの方がどうかしとる。それに無くしたのは精々小銃千丁あまり。目くじら立てる程では無いわ」
「それでも、一通りの『お返し』はしてやりたいものです」
三沢の口振りは軽い。しかし、宇喜多は一刻、思う所があり、その後に続けた。
「なら、腕の良い連中を紹介しよう。狙撃、服毒、爆殺、辻斬り、床上手、内憂に火をつけて燃えたぎらせる、どんな奴も知っているが御所望は如何に、お客さん?」
三沢は目を笑わせた。
「ああ、実に素晴らしい交友関係ですね。全く、悪人政治家ここに極まれり」
三沢の言葉に宇喜多は心外そうな顔をした。
「政治家たるもの、せめて一人や二人、匕首を握らせる者がいなくてはならぬよ」
「勉強になります。しかし、狙撃手と服毒者は何となく素性がわかりますが、床上手と放火魔は知りませんね。どなたでしょう? 星川家は女ばかりですし」
「吉原に知人がいる。あそこの上役は食えん奴だが、下っ端共を狩り出すくらいわけないね。そういう伝手はある。昨今は女も遊郭通いをするようだしな」
「はあ、世も末ですねぇ」
三沢はわかりきった事にリアクションを取った。宇喜多はそれに続けた。
「遊郭を利用して策を巡らすのは古今の手。ラテン人もゲルマン人もやった手だ。使い古された手だが、効果はやはり高い」
「欲に際限無し、ですか。それも肉欲と食欲は生き物ならば仕方がない。まして、万年繁殖期の人間なら尚更です。しかし、そういう所から離れる為の共産主義だったのに。数十年の苦行は何だったのでしょう?」