第3章 Let me share the love with u.
「…バレーボール部です!!!」
実行委員の声が、二口の耳にはどこか遠く聞こえた。
青根に派手に背中を叩かれて、背中にじわじわと広がる痛みとともにようやく二口は自分達が一位を取ったのだと認識した。
「うおおおおおお!!!」
集まってきた部員達にもみくちゃにされながら、二口は皆と抱き合って喜びを分かち合った。
実行委員にステージに上がるように促されて、二口は皆に送り出されるように背を押される。
「おめでとうございます!!」
手渡されたトロフィーを二口が受け取って、頭上高く掲げると、バレー部員達はまた大きな歓声をあげた。
人ごみの中で異様に盛り上がる黒ずくめの集団に向けて、トロフィーを見せると、また彼らは一段と声を張り上げて喜んだのだった。
「お前らよくやったなぁ!!!」
ステージから降り立った二口が合流したバレー部の元に、引退した三年達が姿を見せた。
鎌先にがっしりと掴まれて頭をくちゃくちゃに撫でられた二口は「やめてください」と言いながらもどこか嬉しそうな顔をしていた。
「よく頑張ったな、二口。みんなも。この調子でバレーも頑張れよ!」
「……っ、ウス」
茂庭にそう鼓舞されて、バレー部員達は力強く頷いた。
こうして、伊達工バレー部の熱い戦いは幕を閉じたのだった……。
おしまい