第3章 Love Distance
「もう一度聞かせてくれないか?」
楽の言葉に、大和の顔がみるみる赤くなる。
「なぁ・・・聞かせて」
「っ・・・・・・きだ」
「聞こえない」
「・・・八乙女が、好きだ!」
真っ赤に顔を染めた大和の告白を聞き、楽は思い切り大和を抱きしめる。
「二階堂・・・・・・いや、大和。俺めっちゃ幸せだわ」
「苦しいっ、八乙女っ離せっ」
「嫌だ」
「嫌だじゃねーっ!マジ死ぬっ」
大和が楽の背中をバンバン叩くと、楽は渋々離れる。
「はぁーっ!お前加減して」
「わりぃ。嬉しすぎて」
普段見せることの無い笑顔を見せる楽。
「お前・・・その顔ヤバい」
「へ?」
「そんなふにゃーっとした顔、他で見せるなよ?」
「・・・ふにゃー?」
「そんな顔、九条に見られてみろ。"楽、だらしない。やめて"って言われるぞ」
「だから、お前の天の真似、洒落にならねーから」
楽は顔を少し引き攣らせる。
「ははっ。今度番組でやるかな~。九条の真似してうちの子たち怒れば言う事聞くかもな」
「・・・卑怯だぞ、それ」
「でも、九条には感謝しなきゃな。お陰でスッキリしたわ」
「そうだな」
「八乙女」
「ん?」
呼ばれた楽が大和を見る。
そこに大和は不意打ちのキスをした。
「・・・っ!」
「まぁ、なんだ。これからもよろしく」
再び顔を赤くする大和。
「お前なぁ・・・」
顔を手で覆う楽。
「どうした?」
「あー!もう知らねぇ!!今から俺んちでお前をめちゃくちゃに抱いてやる!行くぞ!!」
「はっ?ちょっ・・・」
大和の手を強く握った楽は、部屋を出た。
そしてアクセル全開でマンションに戻ると、宣言通り大和を朝まで離すことはなかった。
「お前、ちょっとは手加減しろよ・・・」
翌朝、大和はベッドから出る事が出来なかったのである。