第1章 Love Triangle
「やっぱり駄目だぁぁぁ!!・・・あれっ?」
目を開けた大和は、ふと気付く。
「・・・んだよ、夢か」
「んー・・・二階堂、どうした?」
飛び起きた大和に声をかける人物。
大和は恐る恐るその主を見る。
「や、おとめ??」
自分の隣で微睡む楽を見て、大和は深呼吸をすると考え始めた。
-昨夜、十さんとソウの事があり、テレビ局を出てから2人で飲みに行った。で・・・・・・で??
「記憶ねぇ」
頭を抱える大和はハタと気付く。
自分が何も見に纏わず素っ裸だと。
「!?!?」
そっと隣で横になる楽に目をやると、下半身は見えないが上半身は裸だった。
「・・・嘘だろぉ」
「大丈夫か?」
膝を抱える大和を心配する楽。
「なぁ、八乙女・・・昨夜、俺なんかした?」
「は?お前覚えてねぇの?」
「な、何を」
「龍に振られたショックですげぇ勢いで飲んで、挙げ句リバース。仕方ないから俺んち連れてきたら・・・」
そこまで言うと、楽は口をつぐむ。
「・・・何だよ。どうしたんだよ」
「慰めろって駄々こねだしたから・・・抱いた」
「だぁぁぁ!」
「全く覚えてないのか?」
声色が変わり、大和が楽を見ると、その顔はどこか寂しそうだった。
「・・・悪い」
「・・・っ、ふっ、あはははっ、嘘だよ。抱いてねーよ」
「は?」
「リバースしたから身体は拭いたけど抱いてねーから」
「おまっ・・・」
「まぁ、俺はお前なら抱けるけどな」
「はい?」
「寂しくなったらいつでも抱いてやるよ」
フッと笑う楽に、大和はドキッとした。
大和が楽に抱かれる日もそう遠くはない--かも?