第1章 rain of dirty
「ほら・・・ココも・・、ん・・・」
「!・・ふ・・・ぅ、・・ッん・・」
「ちゅ・・・ハァ・・――。これだけありゃあ、一人の夜も寂しくねえよな?・・・せいぜい思い出して励めよ?フ・・ハハ・・・ッ」
「・・っひと・・・りなんて・・、酷い・・――なのに・・一人でなんかじゃ・・!!あ・・・」
「ああ・・・そうだったな。――気休めにもならねえよな?おまえは・・・オレのこれが好きで好きで・・・どうしようもねえ女だからな」
ナッシュが追い打ちをかけるように名無しに刻んだ跡は、例外なく赤黒さを帯びていた。
まるでこの身体は自分が独占しているとでも言いたげな・・・それでいて繊細な花にも見えかねないほど、白肌によく映え咲いている。
一度陽物を抜けば、跡を増やす場所はお決まりかのように内腿へ。
彼自身名無しの脚を見ることで、そこに所有の印があるということが昂り滾るのにちょうど良かったのだ。
再び挿入すれば、そのあいだに名無しは更に陰部を濡らしている。
卑猥な音が抜き差しするたびに響くと、それはナッシュの絶頂を巧妙に誘い、やがて現実のものとした。
「ナッシュ・・・、・・!!ん・・あ・・・ッ―――」
「っぐ・・ん、・・・ぁ―――ッ」
腰に力が込められ、激烈にそれが突き刺さる。
嬌声が途切れてしまうほどダイレクトに快感が名無しを襲う。
彼女が見上げた視界に居たナッシュは、恍惚を浮かべながらいやらしく吐息を漏らし、下半身を打ち震わせていた。
果てる瞬間に頭が真っ白になるとはよく言ったものだ・・・。
部屋の外、雨音などもはやかすりもしない・・・そのときだけは二人の耳に入ることはなかった。
それがどれだけ入れ込んでいるか、本気か、嫌でも思い知らされている気がする。
名無しは昇りつめた脈が途切れて初めて、再び聞こえてきた雨の音を、心底耳障りに感じた。
「ハァ・・・ハァ・・―――」
彼女がそのとき聞いていたかったのはただひとつ、ナッシュの吐息だけだった。
rain of dirty