第1章 覚醒
「…じゃあ、小夜。あれは一体何だったのでしょうか。私をねらっているように見えましたが」
「―――あれは歴史改変主義者と名乗る者の部隊の一部です。何らかの理由で顕現した刀の付喪神が禍々しい姿になった…」
「えっ、そんな事ありえるんですか」
「…前のあなたもそんな風に驚いていた。――――あなたの世界で『目には目を、歯には歯を』という言葉があるでしょう。それと同じように僕らも顕現された付喪神だよ」
小夜はくるっと一回転して自分の姿を、自分に見せる。見た目は幼い子供に見えるが、性格はどこか大人っぽさを感じる。
「すごい。頼もしいです」
「…そう言われるのは慣れていないから嬉しくない」
「ええっ、あ…、すみません」
「別に。あなたならいいよ。…ところで自分の名前は思い出せるの?」