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【おそ松さん】月がキレイだから【マフィアパロ】

第1章 月がキレイだから



月が真ん丸くキレイな夜だった。
いよいよ、親父も先が長くなく半年後にはボスの座を譲ると言われ面倒だと思いながらも、自分にはこの道しかない。
この国には大きな主要都市が5つある。その中のひとつの都市アカツカを仕切っているうちのファミリー、マツノ
5つの大きなファミリーの一つ。のしかかる責任も重い。


今日の仕事も気が向いたから着いて行く。自分が行くほどの仕事ではないのだけれど、たまにはいいかな。なんて思った。
自分が行く事で借り出された下の弟二人と側近の部下達が見知らぬ屋敷にズカズカと入っていく。もう雑魚は鎮圧出来ているのだろう。銃を構えながらドアを空け次男が手招きをする。
屋敷に入りのそのそと歩きながら、足は何故かひとつの部屋の前で止まった。
ガタガタと物音がするので、銃を構えゆっくりと扉をひいた。
とても美しい月を見た。
怯えた表情の男が女の子を盾にしている。なんとも情けない奴だと思った。
それに比べ女の子は何故か微笑んでいる。
長くきれいな黒髪に金色の瞳。狼みたいに金色で月みたいできれいな瞳。
よく観察すると両足の親指、人差し指と左手の親指、小指の爪が無い。
元から無いわけではなく誰かに剥がされたのだろうか。
白いパジャマのようなワンピースから出ている脚は痣だらけで。
きっと服を脱がせば身体中痣があるのかもしれない。
この男がやったのだろうか?

「おい、この子はなんだ?」

男はおどおどとしながら答えている。
この屋敷の主の前妻の子で、この子が4歳頃に今の妻と結婚し、それからずっとこの部屋に閉じ込められ継母に日常的に暴力を振るわれていた。
この情けない男は、餌係りでそれ以外ではこの女の子に触れる事は許されていないと。
そこまで情報を聞ければ十分。もうこの男は必要ない。

パァンと乾いた音がすると男はばさりと床に伏した。
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