第4章 絶対に言わない。
水をかけられたのだろう。随分と冷える。
辺りを見ても誰も居ない。ドアの外には流石に見張り位はいるだろうけど。
泣きそうになるのを必死に堪えて
「おそ松…怖いよ…おそ松…助けて…おそ松…」
呟けばニコッと笑ってくれていた頃のおそ松が見える気がした。
ガチャっと音がしてその相手を睨むと
「お前が可愛がられてるって情報はガセだったみてぇだな。あっちのボスから好きにすればいいってよ」
と言われ顔を思い切り蹴られた。
目がバチバチジンジンとして開けられなかった。と同時に聞きなれた声がいつもよりワントーン低く
「誰も好きにしていいなんて言ってねぇよ…」
ドガっと音がすると
「だれ…だ…?!」
「えーカリレジェお兄様がわざわざ来てあげたんだよーちなみに今交渉してるのは俺じゃなくてうちの三男だからぁ~」
「なんで…ここがわかった?!」
「うちの四男細かい作業が得意でさ…猫モチーフにGPSとか付けて色々作れるのよ。すごいっしょ?」
そう笑いながら答えている
「初めから…わかって…」
「カラ松、ユーリが汚れる…。連れてけ…。」
「カラ松兄さんなの…?今出れたの…?」
「オレだぞ。何を言っているんだユーリ?もう外だろう?大丈夫か…?」
「カラ松兄さん…あたし目の前真っ暗で…カラ松兄さんも見えないの…声でわかるだけ…」
「え…?ユーリそれは本当か?」