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【NARUTO】人狼といっしょ。

第6章 XXXXXXX回目のやり直し。


ちくりとする腕の感覚に視線を向けると肩に刺さる注射の針が見えた。また、わけわからなくなるのか、と思いながら意識を手放す。
 ふさりふさり心地よく耳の裏を撫でられる感覚に目が覚める。
女の人に撫でられていたらしい、私を飼い犬と勘違いしている人だった。
心地良い指の動きと手の温もりにふたたび目を閉じる。
ダンゾウ様に拾われた時もこんな気持ちだった。
「ふふ、ふふん、ふふ、ふ、ふふふ」
鼻歌が聴こえ、膝に擦り寄る。可愛いわねと撫でられ身を任す、指輪の後ももう消えた。
代わりに手足汚らしく汚れる日々。
待機所にいると、耳を引っ張られ目が覚める。
「何するの!?私の犬よ!!」
「いっ、たぁぃ」
「お前の犬じゃない、さっさと立て!つぎの客だ」
私の犬を返してと叫ぶ人を見て、ぺろりと頬を舐める。
彼女は泣きながら雇い主を離してくれた。
また、始まる悪夢にじゃらりじゃらりとあしおとに耳を貸す。
人骨の上を歩く方がまだマシかもしれないと、思いながら。
━━━━のはらリン。
普通の女の人で、旦那様の特別な女性だった。
大切にされてるのだと、解った。
『あら、貴女は確か…カカシに道を聞いていた人ですよね?また、迷子ですか?』
『…ぁ、え、えぇ、そうなんです』
『今日はどちらまでですか?』
『リン!何してんだよ、時間に…』
旦那様が迎えに来たのはリンさんだった。
『この間はどうも、お世話になりました。』
『ぁ、あぁ』
『また迷ってるみたいなの、私送ってから行くね』
旦那様が困った顔を見せたから。
『あら、私は急ぎではないので自分でゆっくりと散歩しながら探しますので、どうぞ』
『カカシ!気を使わせちゃったでしょ!いいんです!ちょっとぐらいでしたら!』
『本当に、大丈夫ですよ、帰り道は解るのでご心配なく、これでも勘はいい方なので本当に、申し訳ございません足止めしてしまって』
『えぇ、そんな、気にしないで下さい!では…道中気をつけて下さいね?』
『はい、ありがとうございます』
立ち去るのはらリン。
ギロリと睨み、立ち去るはたけカカシ。
いつも、苦しかったのかもしれない。
「本当に本物なのか?」
下品な笑い声。店主の愛想笑いが聴こえる。
ぽちゃんとまた、落ちていく思い出に目を閉じる。

ダンゾウ様のそばに行きたいです。
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