第4章 少しの歩み。
後ろ姿を見つめながら目を閉じた。
テンゾウやイタチから聞いたの存在。
天真爛漫で、深く人を愛し、大切に出来る子。
時に残虐に、時に冷酷に、自分を犠牲にできる。
想像がつくようで出来なかった。
自分は彼女に愛されたことは無いのだから。
おーい!
と中庭から声が聞こえは眉間にシワを寄せて、少々お待ちくださいと言って火を消して部屋を出た。
「お疲れ様です、ですがアスマ!遅い!」
「あのなぁ、お前なんでまたそれつけてんだ?」
「………………ちょっと」
「なんだよ」
「……耳としっぽが、出ていまして」
むくれたような声にすっと、戸を開けるとアスマの前で風船のようにむくれながら話していた。
額に手を当て、熱か?と言う。
「紅とイタチさんがずっと、側にいてくれましたから、元気です。」
「嘘つけ、まだ戻せないんだろ」
「…………アスマ、ほんと、きらい」
「綱手様のとこ行ったのか?」
「頭痛と吐き気ぐらいですから…平気です。それより、紅に迷惑かけたから…………アスマ」
「解ってるよ、そんなむくれんなって」
「アスマが紅の旦那様とか勿体無いお化け出ますね」
「お前は素直に褒められねぇのか」
「……今度、一人になったら、紅とアスマの犬になるのも悪くないですね」
アスマはの頭を撫でていた。
「今度は手放さないさ、紅も俺も」
しっかりリードに繋いで俺に従順な立派なと言ったところで紅に殴られていた。
「、もういいから部屋に入って寝てなさいまだ…」
「夕食、用意致しましたので食べていってください!」
紅の手を引っ張り振りかえると、目が合いはそろりと手を離していた。
俯き苦笑いをして台所に戻る。
約束を何一つしてやれない。