第4章 少しの歩み。
くすっと苦笑いを零しながら台所に向かった。
「は随分と、貴女に懐いているんですね」
「私がこの子に懐いているのよ」
「…それは同じ意味合いですよ。は、自分を見てくれる人好意を抱く人には全力で好意を示しますから」
「そうね、貴方もそうなの?」
悪戯っ子のようにほほ笑んでイタチを見ると、を見つめ俯いていた。
「カカシじゃなく、貴方となら良かったのにね」
「はい…」
親愛と言い聞かせながら愛している。幼い頃から。
真っ直ぐ人を見つめる変わらない無垢なを。ずっと側で愛してきた。
「まぁ、カカシと結婚してなかったらあなたを、選んでいたような気もするわ」
「理由は?」
「この子は自分から寄り添うことは少ない、私が知る限り。私と、貴方だけだからよ。足りない?」
「いえ、十分過ぎます」
イタチの裾をぎゅっと子供のように掴み眠る
。
そっと手を撫でると人差し指を掴まれ、苦笑をする。
「ほんと、ちっちゃい子みたい」
「ええ、変わってないです。出会った時から。」
出会った日は今でも覚えてる。
蒼色の着物を着て、白い髪の毛を揺らさず振り返る。
目元だけ笑みを作り、すぐに主を見上げていた。
名を呼べば犬のように駆け付けすり寄る。
その時からうちはでも、血のつながりもない妹に思っている。