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【NARUTO】人狼といっしょ。

第3章 怖いほど。


公園の木陰にうずくまる。
木の根に顎を置いて、深くため息をつく。
静寂は心地よく、冷たい空気が肺に入る感覚が気持ちよかった。
視線の先に蟻がいるが、数えていると不思議と睡魔が襲う。
「…?」
ふと、顔を上げると酒臭いアスマがいた。
しゃがみこむと私の頭を優しく撫でる。だが、酒臭く顔をそらす。
「お前何してんだこんなとこで」
「…おさんぽ、です」
「寝かかってたじゃねぇか」
「アスマ……煩いです」
「なんで俺にはいつも反抗的なんだよ」
頬を撫でられる指が心地よく押し付ける。屈託なく笑いながら動く指が気持よくうつらうつらとする。
「だんなさまの、こいびと、がきてるんです、邪魔しないように…」
ぴとり、と手が止まりうっすらと睫毛をあげる。
タバコを落とし驚いているアスマ。
「カカシの恋人?リンか」
頷くと額を抑えて深くため息をついていた。否定はしなかった。
「なら、今日は家に泊ればいい。紅も喜ぶからな」
人の姿になり、両手を伸ばすとおんぶしてくれるアスマ。
歩くたびに揺れる感覚にいつの間にか寝てしまう。紅の膝で眠る夢を見る。ダンゾウ様とは似ていないけど、優しく撫でる指は心地よく求められている気がした。
それが、幸せだった。
アスマの背中は大きくて暖かくて、少し寂しくなるだけだ。
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