第3章 怖いほど。
こんな時間に、と思いながら返事をしながら玄関に向かい開けると栗毛の女の人が恥ずかしげに立っていた。
後ろにはオビトまで、
「えっ何、こんな時間に」
二人からはお酒の香りがして、覆い被さる二人に頭を抱える。
がその後ろに見えた気がした。
手を振っていて、声をかけようとするとオビトに阻まれる。
「あーもう!お前等ね」
「かかしーつきあいわるいぞー!」
「そーらぁそーらぁー」
「さいきんのおまえはらしくない!」
「そーらぁー!」
「なに、そんな事言いに来たの?もう帰りなさい、ってか帰れる?」
「とめろー!」
「とめろー!」
は狼で背を向け走り去る。
あぁもう、この二人は。
後で迎えに行こう、と思いながら。
二人を部屋に上げる。
茶の間では家のどこからか大量の日本酒を抱えて飲むぞとでて来るオビト。
冷蔵庫に小分けにされた夕飯のおかずを温めるリン。
馬鹿騒ぎはいつ終わるんだと頭を抱えた。
「よし、誰もいないですね」