第3章 怖いほど。
頬をかいて笑いすぎだよと言えば涙を指ではらってお茶を入れてくれる。
俺がやろうとしたんだが、と思い見ていると跳ねる髪の毛を指で突く。
「んー?」
「髪の毛乱すほど慌てて隠すものでもあったのかなぁって」
の手首についていた髪ゴムを奪い、背後に立ち髪を束ねる。
生え際が藤色で輝いている、うなじを撫でると頬をふくらませ振り返る。
ハイハイ、黙っててと言えば自分でやりますと文句を言っていた。
「それなんですが、旦那様の布団をお持ちした方がよろしいかと…虫食いがひどくて、シーツの予備が無いんですよ、天日干ししたので布団には問題はないと思われますが…旦那様が眠るとするのなら気になって…」
「なら、明日クリーニングに出そうか、の布団はどうなの?」
「……………………あの、旦那様の家から座布団を…」
!?
うつむき困ったように照れていた。
ぎゅっと結べば振り返り俺の反応を待っていた。
「仕方ない、今日は一緒に寝よう」
「……い、いえいえ!私は、座布団で!」
「あんまり、変化はしちゃダメって言われてるでしょ」
「そ、そうですが」
「んじゃ決まりだね」
もどかしげにしている姿をみて、つるりと前髪を撫でる。
「お布団とってくるね」
「て、手伝います!」
「そう?ならお願い」
てくてくと、後ろをついて歩く奥様は不安げに辺りをキョロキョロしていた。
くんくんと匂いをかぐ仕草に、ぴたりと足を止める。
つんつんと、服を引っ張られ困ったように笑う。
「あ、あの。私は、ちょっとお散歩に行ってきます」
「え?」
がオオカミの姿になり眼の前から消えると同時にインターホンの音が響く。