第11章 人狼とは。
ナルトが風呂から上がるとベッドの上で髪の毛を乾かしてやるの姿が目に入る。
それを見て満足していたのは俺だけじゃなかった。
綱手様も、イタチも、紅もアスマも、皆が微笑ましかった。
ナルトの悪口を聞こえないふりをして、ただご飯を食べながらお酒を口にする。
の笑い声は心地よくて何だか幸せで胸がいっぱいになった。
ご飯を食べるとなると、何故か奥の部屋で将棋を始めたシカマルとアスマ、それを見ているのはオビトとイタチ。
リンは紅の膝でころころして。
ゲンマは綱手に絡まれていた。
シズネは散らかったテーブルをちまちま片して、は慌ててそれを手伝う。
ナルトが腹減ったと言えば出てきた暖かいご飯。
いただきますと言えば微笑む。
「アンタとが使ってるグラス随分綺麗ね」
紅のふとした言葉にビクリとしたのはだった。
昼間に買ったグラス。
お酒を注ぐと、紫や金に光る水面。
「何処で買ったの?」
「え、えっと⋯ですね⋯」
「あのクソジジィの所だろう」
ニヤニヤする綱手には知っているんですか!と言わんばかりに口をぱくぱくさせていた。
「あぁ、あの爺さんは人狼を愛してるからな、お前も気に入られたな」
「⋯え、えへへへ」
「何どういうこと?」
「そのままですよ、あのおじ様は出会った人狼をモチーフにグラスを作るんですよ⋯私のだと言ってくれると仰ったのですが⋯」
なるほど、断ったのだろう。
は、だから、おじ様と言っているのか。
「あのジジィの作る皿はどれをとっても何をとっても美しい、難聴ジジィだけどな」
「へぇ~でも、ほんとに好きなのね⋯こんなに美しいグラス作るなんて」
紅がグラスを眺めていると恥ずかしげにする。
それを見てナルトがにこにことする。
「ねーちゃんは美人だからな!あ!カカシ先生ってば、浮気してるって噂どうなんだってばよ」
「サクラだな⋯してないよ、してる暇もないよ」
そう、人狼なんて言葉を抜かせば、美しすぎる女人にほかならないのだから。