第6章 XXXXXXX回目のやり直し。
「ダンゾウ様、もし、私が死んだらどうします、か?」
立ち止まり振り返るにはそう時間はかからなかった。
「私の娘が死ぬなんてことはない。私のもとに健常無傷で戻る。」
「人は…死にます…平等に」
「お前は人ではないだろう」
「…………命は途切れます」
「親が生きてる間娘が死ぬなどなんたる無礼かとは思わんか」
ふと、ダンゾウ様を見上げる。
「ごめんなさい、ダンゾウ様」
「何度でもお前は私の側に戻ってくる。お前の定めだ。」
その言葉に目を大きく見開く。
カツンと杖の音がして一歩踏み出すダンゾウ様。
「、何度でもやり直せるならお前は恵まれている。人より何倍も。一度しかない人間を自分の都合でどうこう等、無理であって当然とは思わないか?それでも成すと決めたのならお前の好きにしたらいい」
「ダンゾウ様と一緒にいたいです」
「当然だ」
「私はっ多くを望んでいるのだと解っております…ですが、ダンゾウ様、私、ただの小娘になりたいのです」
「それは不可能だ」
その瞳をまっすぐ見据える。
「お前は獣人、ただの小娘になどなれはしない。お前は死んでも獣人だ」
「ずっと、です、か」
「ただの小娘を娘にと言うと思うか」
「ダンゾウ様…わかりません、私は、何故生きているんですか、何故生まれてしまったのですか…」
「お前はまずそれを探せばいい」
ダンゾウ様はいつも正しい。